明治八年に創設した由緒ある女学院。
米国から来日した宣教師によって私塾として創立された。
風早家の祖に当たる人物がこの理念に賛同し、持っていた都内の土地を提供して
現在の場所に移転、のち学制改革に及んで中高大学の一貫校となる。
基督教的なシステムを取り入れた教育様式が現在まで連綿と受け継がれている
いわゆる『お嬢さま学校』であり、受け入れる生徒の質は変遷しているものの
その基本的なスタイルは現在も変わらない。
慈愛と奉仕をモットーとし、年間行事にはボランティア活動や
基督教礼拝など、宗教色も色濃が日本的な礼節・情緒教育も行われている。
生徒の自主性を尊重のため、校内には生徒による自治組織が存在する。
これにより生徒内自治がある程度効果を上げており、大幅な校則違反はあまりない。
が、世相の変化がもたらす生徒の質の変容が近年ではやや問題になってきている。
学院に向かう坂の起点にある、聖セラール女学院の学生寮。
寮利用者の減少に伴って廃止の話も上がっている。
建物自体は昭和20年代に建て直されているが、それでも築60年を超えている。
モダニズム建築の走りの時期に建てられた物で、
重厚感を感じさせる造りになっている。
新聞部の発行する学校新聞。
新聞部による頒布も行われていて、新号が出ると職員室前の掲示板、
新聞部室前の掲示板に掲出。
昇降口に机が出され、無料で百部程度が置かれる。
この学院では、生徒会を紅鶸会(くじゃくかい)と称しており、
独自のシステムで運営されている。
実質的な生徒会役員で、執行部以下、各部局を置いて構成されている。
各部署に長が存在するが、その実質のトップは三人の照星たちが務めることとなる。
六月初頭の照星投票に於いて、得票を得た者から選出される生徒会のトップ。
キリストの生誕を知らせ祝ったというベツレヘムの星、
そして東方よりの三博士になぞらえて運営される。
三人には序列があり、得票数と成績、性格によって以下に割り振られる。
薔薇の宮
序列第一位。得票者のうちの成績優秀者が務めるとされる。
東方よりの三博士の一人、メルキオルに倣い、王権を司る。
百合の宮
序列第二位。得票者のうちの有識者が務めるとされる。
東方よりの三博士の一人、バルタザルに倣い、神性を司る。
鈴蘭の宮
序列第三位。得票者のうちの実務能力がある者が務めるとされる。
東方よりの三博士の一人、カスパーに倣い、受難を司る。
ディベートの精神に基づいて、他の宮たちに対して理性的な疑義を唱えるという立場を負う。