「めぐり、ひとひら。」のボイストレーラーmp3データは「ダウンロード」のコーナーにありますので、
是非皆さんこの楽しいツッコミ合い(?)をご堪能下さい。

ダウンロードのページは

「ゆえっさまっ。ゆえっさまっ。ゆえっさまっ。わあああああ……」
「呼んだかや? 愚民ども」
「……物凄い一人上手ですわね」
「なっ、なんじゃお主! いたのかや?」
「お呼ばれしたもので」
「む、むう……また厄介なヤツを……。いったい、誰がこの話のヒロインだと思っておるのじゃ」
「わたくしとこまさんですけれど」
「…………」
「…………」
「だ、誰がこの話の主人公だと思っておるのじゃ。まったく」
「お兄様ですけれど。アナタが主人公というのも、見方によっては非常に画期的な企画ですわね」
「じゃろ? じゃろ? 良いとは思わんか?」
「アナタが、わたくし達と愛を囁き合うんですの?」
「…………」
「願い下……」
「それはこっちのセリフじゃぁぁぁぁ!!」
「意見が合ってこれほどほっとしたのは、生まれて初めての経験ですわ」
「そんな展開になったら、わらわ、お主に“ちょーきょー”とかされるに決まっておる。「くぅん」とか鳴きながら、お主の足下にへばり付く“えんでぃんぐ”はゴメンじゃ。お主は愚民にでもそうされとれ。この犬めが」
「…………」
「なっ、何をまんざらでもない顔をしておるかっ! ほんのり頬を赤らめるなっ!!」
「えっと……こ、こまも出てもいいかな……?」
「あら、こまさん。どうして、そんなところでお隠れになってらっしゃるの?」
「なんかスゴイお話になってるから、出づらくって……」
「おお、こま、丁度良いところに来おったの。お主からもこやつらに何か言ってやれ」
「え? こ、こやつらって……?」
「これを聞いておる、わらわの信奉者たちに決まっておるじゃろうが。わらわが言うのは簡単じゃが、それでは命令になってしまうからの。さあ愚民ども、右から左に突き抜けちゃう程、耳の穴かっぽじってよく聞くのじゃ!!」
「え、えっと……」
「こまさん。がんばって」
「う、うんっ。エモーショナルノベル、『めぐり、ひとひら。』もうすぐ発売ですっ! あ、あのっ! 買ってくださいっ!」
「わ〜(はーと) こまさん、がんばりましたね〜。いい子、いい子」
「ありがとう、千草さん……え、えっとですね。通販もやってます。そっちで予約してくれると……何か、色々とつくみたいですよ? だから、これを機会に……」
「うーむ、ちょっと言い方が弱いのぅ。まだまだじゃな」
「ううう……ごめんなさい。こまじゃちょっと……そっ、そうだ。千草さんなら……」
「ぐー」
「ち、千草さ〜ん」
「熟睡してますわね。メガネに半ズボンのあやとり少年みたい」
「まったく頼りない者どもじゃのう。まぁよい。ここは一つ、わらわが手本を見せてやるとしようぞ」
「あら。自信がおありのようですわね?」

「ふふん。お主、わらわが誰であるのか忘れてしまったのかや?」

「自分を“神様”だとか思い込んでる、先行き不安で、ちょっと声もかけられない程に憐れなお子様ですけれど。皆様がお賽銭を投げ入れたくなる気持ちも、わからないでもないというか」
「いい加減にわらわの存在を認めんかっ! はいこまっ! 正解はっ!?」
「え? え? えっと……縁結びの女神さま?」
「“偉大なる”が抜けておるっ。そう! 偉大なる縁結びの女神サマじゃっ!!」
「自分で付け足しておきながら、何が「そう」なんだか……」
「わらわのご利益で、愚民どもとわらわ達との縁を取り持ってやろうぞ!!」
「あっ、なるほど。さすがは由ちゃん」
「むっふっふっふ。さあ、喰らえ愚民ども! 必殺! む〜す〜び〜の〜……」
「……ナニソレ」
「うるさいっ! 気分じゃ気分っ!! よし、気を取り直して行くぞっ!!」
「逝ってらっしゃいませ」
「字が違ーーうっ!!」
「…………」
「あっ、鏡架さんっ。鏡架さんも、何か……」
「え……」
「おチビちゃんをからかうついでに、この作品のご紹介をさせて戴いていたところですのよ。アナタも、お一つどうですの?」
「コラッ! 今サラリと何か言ったかっ!」
「お買いになって戴けないとおチビちゃんをシバくとか、吊るすとか、ちょっと人様にはお聞かせできない事をするとか、何でも宜しいんですけれど」
「…………」
「鏡架さん、首を傾げちゃってるね……」
「きっと、何をおっしゃればいいのかお考えですのよ。おチビちゃんの寂れた神社を復興させる為に、こまさんが看板巫女に祭り上げられたりとか、引っ込みがつかなくなってそのまま御祓いする事になったりとか……言い出せば色々とありますもの」
「そうだね。いっぱいいっぱい、思い出があるもんね?」
「愚民恋しさに、わざわざ東京からこの町まで迎えにきた小娘とかもいるしのう」
「ちょっとおチビちゃんっ! だからそれは、お父様が急に結婚式を早めるなんておっしゃるから、お兄様をお連れして掛け合おうと……」
「よーく観察してるとわかるが、お主はいっつも愚民ばかり見ておるしのう。目が合うと、ぽっと頬を赤らめて嬉しそうに……」
「おっ、おチビちゃんっ!!」
「お主この神社に来た時、最初にお参りしとったが……あの願いは実は……」
「ちょっ、ちょっ、ちょっと……」
「わわっ。ふっ、二人とも、喧嘩しないで……落ち着いてっ。ねっ? ねっ?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あ」
「買ってくれたら、もれなく私の咒いをセットでプレゼント」
「…………駄目?」
「そう……」
「じゃ、じゃあ……もう一個、おまけで咒いを付けるよ?」
「…………駄目」
「…………ううん……難しいね…………」