絵の題材探しの為、山を当て所もなくさ迷っていた僕は……まるで何かに導かれるように、山奥へと足を踏み入れていた。
そこには、まるで人々に忘れ去られたかのように、ひっそりと── 一つの神社がたたずんでいた。
この神社に、何かがある気がしたから。
この町に降り立った時から、ずっと予感があったから。
僕が失った、かけがえのないものが。
懐かしくて愛しい何かが。
僕は、本殿の引き戸に手を掛ける。
本殿という禁忌の核心部へ踏み込む畏れおおさと、本殿にある"何か"の正体を目の当たりする期待感とで胸が高鳴った。
開いた戸から差し込んだ光が、薄暗い本殿の中央に祀られた御神体を、僅かに浮かび上がらせた。
飾り立てられ、礼拝の対象として安置された木彫りの少女人形。
その顔には、うっすらと笑みが浮かんでいた……それは、まるで……。
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